Kith Honors Black History Month
2024年のBlack History Monthを称え、私たちはArtist Seriesを継続し、3人のクリエイティブな黒人のクリエーターである、Mia Lee、Eddie Santana White(EDO)、Brandon Deenerを紹介いたします。アーティストの彼らは、Kithのスペシャル・プロジェクト&コラボレーション・ディレクターのMarlon Beck IIと、創設者兼CEO兼クリエイティブ・ディレクターのRonnie Fiegによって選出されました。
今年のArtist Series Capsuleでは、Mia Lee、EDO、Brandon Deenerがデザインしたカスタムアートワークが、KithのシグネチャーであるNelsonクルーネックとGallery Teeにデザインされています。それぞれのデザインは、各アーティストへのオマージュを込めたKith Classicのコラボレーションロゴで仕上げられています。
2024年のCapsuleは、起業家でありコレクターでもあるKendall Hurnが2021年に設立した、創造性と学びを育みながらアーティストとの関係を支援・育成することに重点を置くシカゴを拠点とするアート集団、The Arte Hausとのパートナーシップによるものです。Kith Artist Series Capsuleは、日本時間2/10(土)11時にKith Tokyoにて発売いたします。
各アーティストは、デザイン収益の50%を受け取るのに加え、このリリースに合わせた2/1に、Kith SoHo旗艦店で開催される特別ギャラリーにて彼らの作品が紹介されます。また、2/19からはKith Beverly Hills店のウィンドウでも展示が行われます。
アーティスト紹介
発売を前に、Mia Lee、EDO、Brandon DeenerはMarlon Beck IIとの対談を行い、黒人クリエイターとしての意義と責任について、それぞれの思いや彼らの経歴とともに語り合いました。以下に紹介するのは対談のハイライトです。
Mia Lee
シカゴ生まれシカゴ育ち、コンテンポラリーアーティスト兼テキスタイルデザイナー。
あなたにとってアートとは?
アートは私にとって「全て」を意味するものです。祖母や両親とのつながりであり、私の遺産でもあります。つまり、アートは私の世界の全てなのです。コミュニケーション手段であると同時に、私の逃避手段でもある。アートは、私の混沌の源であり、安らぎの源でもあるのです。「私にとってのアート」が存在しない世界なんて想像したくもありません。
創作のプロセスは?
私の創作プロセスはスケッチブックから始まります。いつでも。DrakeにとってBlackberry side-scrollが作曲に必要不可欠だったように、スケッチブックには、私の考え、スケッチ、アイデア、ラブレター、計画などのすべてが詰まっています。私は1日24時間、スケッチブックとともに過ごしています。一日はスケッチブックの中で始まり、スケッチブックの中で終わります。音楽を聴きながらスケッチを眺めていると、自然とそのスケッチに合う色やカラーパレットが見えてきて。そこから5フィートのキャンバスを手に取り、制作に取りかかるんです。
アートの世界で黒人の女性として存在すること、また、シカゴ出身のアーティストとしての想いを詳しく聞かせていただけますか?
正直に言うと、私にはお母さんやおばあちゃん以外に尊敬できる人がいませんでした。そういう人たちがいなかったとは言わないけど、私が育った環境で見てきた大人は違ったんです。私は、次の世代の若くてアーティスティックな黒人の女の子たちには、自分に可能性がないと感じてほしくないの。
KendallとArte Hausとの仕事は、あなたのキャリアにどのように役立ちましたか?
Kendallは本当に素晴らしい人です。Kendallの素晴らしさを伝えるために、パンフレットを持って一軒一軒回りたいくらい。Kendall、Corree、Myiaは私にとって家族です。もちろん私たちは懸命に働くけれど、彼らは私の夢を実現するために裏でもっと働いているんです。一日の終わりには、まず私のことを一番に気にかけてくれるの。私がスタジオにこもっていると、食べるのを忘れてしまうこともあるから、ちゃんと食事をとっているのか確認してくれて。本当の愛を感じたわ。
EDO
シカゴ南部出身、多分野にわたるアーティスト兼起業家。
あなたにとってアートとは?
アートは私のすべてです。子供の頃から、アートは私の本能的な好みでした。児童養護施設に入る前から、私はよく一人隅のほうで想像を膨らませていました。成長するにつれて、アートから遠ざかってしまいましたが、19歳のとき、アートに再び出会い、生涯アートの道を歩むことを決めたのです。アートは私の家であり、安全な空間であり、親友であり、痛みであり、セラピーであり、癒しであり、光であり、いろんなことを意味するのです。毎日創作できることに感謝しながら、私の中にいる子供の自分と繋がるんです。その子は様々なアイデアに溢れ、アートを通してやっとそれに命が吹き込まれる。私はこの質問に答えながら座っているソファ、住んでいる家、スニーカー、身につけるものすべてがアートに見えるんだ。本当に、言葉通りのそのままの意味で。つまり、私たちが感じたり手に入れたりできる物理的な領域の基盤にアートは存在しているんだ。物理的な創造物はすべて、形あるものになる前の思考から始まっている。思考を物理的な創造物に変えることができるのは、私にとって魔法のようなもの。だから、アートは私にとってどんな形であれ、すべてを意味するものなんです。
あなたがアーティストになるまでの道のりを教えてください。アートはあなたの人生にどのような変化をもたらしましたか?
幼い頃、私は痛々しいほど内気で臆病で、他の子供たちと交流することはほとんどありませんでした。そのため、私は自然とそのはけ口としてアートに没頭し、小学校から高校にかけて、服や本やメモ帳に絵を描いていました。児童養護制度下にあった2年間、私が滞在したほぼすべての家庭で精神的、身体的、感情的な虐待を受け、私の臆病な性格はさらに悪化しました。母は、私と兄弟を取り戻すために闘い、20年以上もクリーンであることを嬉しく思います。
高校卒業後、不合格を恐れて私は大学への入学申し込みを躊躇していました。そんなある日、母は私を呼んで本音で話してくれたのです。母は、「聞きなさい、私はあなたが今置かれている状況を理解しているし、あなたが感じていることもわかっているわ。でも、家にいてただ何もしないってわけにもいかないのよ。私はそれを許すつもりもない。仕事を見つけるか、コミュニティカレッジに行くか、何かをしないといけないのよ。」そこで私は仕方なくコミュニティカレッジに行くことを決め、グラフィックデザインの基礎を学ぶためにビジュアルコミュニケーションを専攻しました。1学期か2学期しか在籍しませんでしたが、私はアートの自由との深いつながりを発見し、創作の意欲が沸き起こり、アートが私の生涯の道だと確信しました。これまでの私の人生の旅には、ホームレス生活、車中泊、ラーメンだけの厳しい食生活(大笑いしながら)など、さまざまな感情がありましたが、アートが私の目的であることはずっと分かっていました。それは単なる情熱ではなく、癒しであり、感激を与え、喜びをもたらすための天職なのです。アートを通して人とつながることは、私のように孤独を感じている人たちに共感することであって、私の心を温めてくれることなのです。アートを通して自由と癒しの感覚を追い求める人々に敬意を表したいです。
あなたが最も影響を受けたアーティストやインスピレーションの源は何ですか?
今は、Basquiat、 Chef's Kiss、Salvador Dali、Peter Saul(特に好き)、George Kondo、Keith Haringや、同じシカゴ出身のHebru Brantleyのようなアーティストに惹かれています。Kawsも素晴らしいし、Craolaのシュールレアリスム絵画の中でも、特に『不思議の国のアリス』を題材にした彼のユニークな作品には感銘を受けました。正直なところ、私は自身のオリジナリティを確保するために、自分独自のスタイルや領域に留意しようと努力しています。もちろん、イベントや美術館に行くことはありますが、誰かの作品を模倣しているように私自身が感じないように気をつけています。私のスタイルは、物、言葉、色、フレーズをコラージュして特定のストーリーを語るというもので、それぞれの絵には参考文献リストが添えられています。どんなアイデアも必ず何かのきっかけから生まれてくるものですが、私は自分のスタイルに忠実であろうと努力しています。私が尊敬する画家は他にもたくさんいますが、今挙げたアーティストは非常に才能があり、私がやりたいことを貫き通せたのは、彼らの存在が大きいと思います。偉大なアーティストたちに敬意と尊敬の意を表します。
このプロジェクトであなたとパートナーシップを組めたことは本当に光栄です。なぜKithと一緒にこのプロジェクトを作り上げようと思ったのか教えていただけますか?
いえ、こちらこそ本当にありがとうございます。私にとってKithは、世界的な知名度とトップクラスのセンス、クオリティー、美意識を備えた大きな影響力を持ったブランドです。チーム、特にMarlon、あなたとの出会いは私にとって特別な経験であり、大きなプロジェクトの一つとなりました。そして、私の進むべき道が正しいことを確認させてくれるような経験でした。あなたのエネルギー、ポジティブなエナジー、そしてその純粋な心が、この機会を本当に素晴らしいものにしてくれました。シカゴ西部出身の若いアーティストとして、この機会で得た価値は言葉にはできないほど大きなものです。
Brandon Deener
ロサンゼルス在住、独学のアーティスト。
あなたのクリエイティブなプロセスを教えてください。
音楽と自然は、私の想像力を解放する2つの大きな鍵です。読書、研究、文化から過去のアイコニックなものまで、あらゆる情報が私のプロセスを形作るのです!情報が私の創作プロセスに影響を与えます。私がイメージを創造するとき、複数のスタイルとアプローチが存在します。ある日はスケールの大きなハイパーリアリスティックな肖像画を描いたと思えば、またある日は筆のストロークを生かし、ゆったりとしたレンダリングで重厚なテクスチャーの傑作が出来たり!もう一つのアプローチである「第二のスタイル」はJazzのようなもので、今この瞬間に創造し、自分自身をより高みに導いてくれます。
あなたの作品には、特徴的な細長い首の描写がありますが、このアイデアはどこから生まれたのですか?この表現は何を象徴または意味しているのでしょうか?
私の作品の中で、ロングネックの美学にはいくつか異なる意味があります。まず、それは鑑賞者に尊厳、自信、誇りを感じてもらうことです。頭を高く掲げることで、偉業を成し遂げることができる意味合いを込めており、また、これはAfro Futurismへのリスペクトでもあります。アイデアが形になる前に、まず私たちは未来を見通すことが必要になってくる。この長い首の描写は、そのアイデアのための比喩的表現なのです。
今後数年間、あなた自身とあなたのアートの進展についてどのようにお考えですか?具体的な目標はありますか?
大反響の個展と作品の完売を目指しています。それから、新しいアートビジネスの立ち上げも!
このプロジェクトであなたとパートナーシップを組めたことは本当に光栄です。なぜKithと一緒にこのプロジェクトを作り上げようと思ったのか教えていただけますか?
このプロジェクトでKithとパートナーシップを組むことができ、本当に感謝しています。なぜなら、これは非常に豊かな経験であり、世界でも優れたブランドの一つを通して、私たちの同胞を発信できることは大きな意味があるからです。ディテールに拘り、高いクオリティーを追求し続けるブランドと一緒にプロジェクトを作り上げられたことは、とても貴重な機会となりました。Kithは理想的なプラットフォームです!このような機会をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
Kendall Hurns
シカゴを拠点にアーティストの支援と育成に取り組むアート集団、Art Hausの創設者。
まずは、Art Hausとは何か、なぜ設立したのか、読者の皆さまにお聞かせください。
Arte Hausは、私の親友でアーティストのHebru Brantleyとの会話から生まれたもので、アーティストとアートコミュニティを支援することに専念しています。私たちのミッションは、アーティスト、ギャラリー、コレクター、大手ブランド間の従来の関係を打破することです。私たちは、壁画、ビルボード、評価の高い展覧会、Kithのような著名なブランドとのコラボレーションを通じて、アーティストがクリエイティブな活動の可能性を十分に発揮できるように、マネジメントと代理人のあり方を再構築することに努めています。
アート業界の常識に挑戦するだけでなく、Arte Hausはアートをより身近に、日常生活の中で楽しんでいただけるよう尽力しています。私たちは、アートが私たちの家庭や身の回りに境界線なく溶け込む、より包括的な環境を思い描いています。Arte Hausを通じて、持続的な学びを促し、クリエイティビティを刺激し、誰もが芸術的卓越性を追求できるようなプラットフォームを作ることで、より多くの方々にアートを身近に感じていただくことを目指しています。
Arte Hausの今後の展望について、また次のステップについて教えてください。
AHは常に進化し、より多角的な集団になるためにコミットしています。私のチームのCorreeとMyiaによって、可能性は無限に広がっています。私たちの目標は、才能ある革新的なアーティストを見出し、アート業界の限界を押し広げていくことです。アーティストをさらにサポートしていくことはもちろん、彼らを世の中に紹介していくためにも、それに必要な物理的な場所を設立することも検討しています。このようなエキサイティングな展開を通じて、私たちは常識に挑戦し、活気に満ちた包括的なアートコミュニティを創造していきたいと思っております。
若いアーティスト、ベテランのアーティストに対して方向性を提供するクリエイティブなプロセスはどのようなものなのでしょうか。
私のクリエイティブなプロセスは、まずアーティストの作品と真摯なつながりを築くことから始まります。プロとして関わる前に、アーティストをサポートすることを重要視しています。才能ある若手アーティストと一緒に仕事をする場合、彼らのアイデンティティを磨き上げることに集中しますが、実績のあるアーティストの場合は、新しいアプローチや表現方法に挑戦できるように、既存の作品の限界を押し広げることを勧めています。最終的な目標は、アーティストの創造性が広がるのと同時に、その作品がより多くの観客の心を打つような、双方にとってプラスとなる関係を築くことです。
なぜKithと一緒にこのプロジェクトを作り上げようと思ったのか教えていただけますか?
Ronnie FiegとKithというブランドには本当に驚かされます。Ronnieは長年にわたり、並外れた偉業を成し遂げてきました。Marlonさん、あなたはその卓越したスキルでこのプロジェクトをリードしてきました。このコラボレーションは、Kithのリテールビジネスにおける単なる一つの商材ではないことは明らかです。その背後にある意図は、純粋にこれらのアーティストをサポートし、プロモーションすることであり、Kithのプラットフォームを共有したことでその可能性を最大限に広げています。また、KithがArte Hausのような集団とパートナーシップを結ぶのは今回が初めてであることも注目すべき点でしょう。私たちが行っているアーティストへのサポートを理解し、彼らと一緒に紹介していただく機会を提供してくださった皆さんに感謝いたします。