Ronnie Fieg's Journal - Kith Fall 2022 Russell Athletic
新しいプロダクトやコレクションに携わる喜びは勿論ですが、それらのプロダクトにより深いストーリーを与える時に得る感動は、何ものにも代えがたいものがあります。今年のFall コレクションに思いを巡らせた時、私はカレッジアパレルのカプセルコレクションを作りたいと思いました。というのも、全国的に知られる有名校ではなくローカルな大学にハイライトをあてたカプセルを作り、私が育った地域の学生に母校への誇りを持ってもらいたいと思ったのです。
カレッジ、キャンパスにちなんだプロダクトといえば必ず思い浮かぶブランドがあります。それが、Russell Athleticです。1920年代から30年代にかけて、Russellほど大学向けプロダクトの制作において伝統のあるブランドはありません。Russellがスウェットシャツを発明したことは周知の事実ですが、そのクリエイションが何からインスピレーションを受けて誕生したものなのかは、あまり知られていません。1926年、創業者Benjamin Russelの息子が炎天下のアラバマでフットボールの練習から帰って来た時の出来事でした。Benは、ウールのジャージを着ている息子の不快そうな様子を目の当たりにし、ヘビーウェイトの丈夫なコットン製に着手したのです。これがきっかけとなり、1930年に最初のスウェットシャツが生産されました。
この学校体育の基礎が、Russellを全国のキャンパスで知られるブランドへと導いたのです。今回私達はコレクションのデザインを始めるにあたり、過去4回のRussellとのパートナーシップの中で作り上げてきたアーカイブに立ち返りました。彼らのヴィンテージカタログより、カラーカードからシェニールパッチのオプションまで数多くのインスピレーションを得ることができました。
ニューヨーク市立大のQueens College、そしてBrooklyn Collegeとのパートナーシップにより制作された初めてのカレッジアパレルカプセルを発表できることを誇りに思います。私はクイーンズで生まれ育ち、Kithの1号店はブルックリンにオープンしていることもあり、このプロジェクトは私達にとってより重要なものとなりました。